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ギリシャリクガメの飼育方法

人間を含め全ての生物は何かを摂取しなければその身体機能を維持することはできません。ではギリシャリクガメが摂取するものは何かというと、それは植物です。リクガメのほとんどは草食です。あの大きなガラパゴスゾウガメだって食べるのは植物です。中には幼少期に多少肉を食べる種もいますが、ギリシャは完全な草食と考えて良いでしょう。

● 主食
● 副菜
● ビタミン・ミネラル等

【主食】

スーパーなどで手に入るカルシウムが多く含まれてた野菜といえば、モロヘイヤ、チンゲンサイ、小松菜といったところでしょうか。本当はオオバコ・タンポポ・クローバーなどの野草も好きなのですが、なかなか近所では見つからない方も多いでしょう。
ほうれん草等はカルシウムが多そうですが、シュウ酸が強く、不溶性のシュウ酸カルシウムとなってしまうため栄養素として取り込むことはできません。

【副菜】

副菜にトマト、カボチャ、ニンジン、キュウリ等の緑黄色野菜も加えてあげるとバランスが良くなります。トウモロコシ、サツマイモ、豆類はタンパク質を含むので与えない方がよいでしょう。
果物なら、リンゴ、イチゴ、カキ、モモ、ナシなども与えますが、果物は糖分が多いので主食を食べずに果物ばかり食べるようだと問題です。
副菜はあくまで副菜ですので、主食とのバランスには気を付けましょう。

【ビタミン・ミネラル等】

ミネラル・ビタミンは生物が生きていく上で重要な栄養素ですので、カルシウム、リン、ヨード、ビタミンA・B・C・D3については特に注意して摂取させるようにします。しかし脂溶性のビタミンA、Dは多く採りすぎると尿などに溶かして排出できないため、これまた問題があります。

カルシウムとリンは摂取するバランス(Ca:P)も重要です。Ca:Pの比率でリンが2:1より高い比率になると骨・甲羅の成長に悪影響が出てきます。比率は6:1位カルシウムが高くてもかまいません。しかし、カルシウムを与え過ぎると便秘や結石を引き起こすこともあります。

骨・甲羅の成長にはビタミンD3の働きも必要です。ビタミンD3が不足するといくらカルシウム・リンを摂取してもそれを吸収できなくなり、クル病の原因となります。

ビタミンD3は紫外線に当たることで皮膚下に生成されますが、過剰になると骨などの組織内のカルシウムやリンを逆に抽出してしまい、やはりクル病とよく似た症状などを起こします。

ビタミンAが欠乏すると、目が腫れたり、皮膚がただれたり角質化したりします。ビタミンAの過剰症の症状は、不足のときの症状と似ている点が厄介です。適量が分かりにくいビタミンAよりも体内でビタミンAに転換されるβーカロチンを摂取した方が必要な分だけビタミンAに転換されるので安心かもしれません。また、βーカロチンは免疫細胞を活性化し、細菌感染などへの抵抗力も高めてくれます。

ビタミンBは、アミノ酸や炭水化物、脂肪などをエネルギーに変換する働きをします。ビタミンB1が不足すると脚気になります。

ビタミンCが欠乏すると、口内炎や細菌性の感染症にかかりやすくなります。

ヨード欠乏症は、ヨードが不足する他に、甲状腺腫誘発物質であるゴイトロゲンを多く含むキャベツ・ブロッコリー・アブラナ科の植物などを長い間与え過ぎても起こります。ヨード欠乏症の症状は、無気力、甲状腺肥大、皮下組織に粘液水腫ができることなどです。

高脂肪の餌を与え続けると、肝臓がやられてしまいます。また、高脂肪の餌はカルシウムの吸収力をも低下させてしまいます。肉類や乳製品などは絶対与えないようにし、低脂肪・低タンパクな食事を心がけましょう。

また、繊維質や水分等も摂取できるように気を付けましょう。


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